全てが重厚、全てが007、こんな傑作があっただろうか :
映画「007 カジノ・ロワイヤル」

面白かったモノ / 映画 ・ 2021.09.10

モノとコトの映画レビューは、ネタバレなしでお送りいたします。

改めて見ても傑作だった、ナカトミツヨシ(@meganetosake)です。

ダニエル・クレイグ扮するジェームズ・ボンド最終作が、2021年10月に公開される。それに先立ち AmazonPrime で007シリーズ24作品が本日より無料公開中。まさにそれに乗っかって最終作への予習をしているのだが、ダニエル・クレイグ扮するボンド初登場の「007 カジノ・ロワイヤル」は傑作中の傑作だ。

実は私、007シリーズの大ファン。ピアース・ブロスナン主演の「007 ゴールデンアイ(1995)」でハマり、第1作「007 ドクター・ノオ(1962)」に遡って全ての映画作品を見つつ、イアン・フレミングの原作小説も全て読むほど沼に浸かっている。好きなお酒は「(ウォッカ)マティーニ」だし、乗りたい車は「アストンマーティン」、ほしい時計は「オメガ」なのだ。

そんな私でも今作「007 カジノ・ロワイヤル」は、エンドロールで放心状態なるほどの衝撃を受けた。公開当時は結局10回以上劇場に足を運んでいる。もしこの作品が「007」ではなかったとしても傑作であることには間違いない、重厚なアクション・スパイ映画だ。というか実際、以前の007とはちょっと毛色が違うし、ストーリーや設定自体も新しくなっているので、007シリーズを見たことがない人でもじゅうぶん楽しめる作品になっている。

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あらすじ

これは若きジェームズ・ボンドが”007”になるまでの物語。

痛みを感じるジェームズ・ボンド

ダニエル・クレイグ主演のジェームズ・ボンドは今作が初登場だが、まず冒頭の「00(ダブルオー)」の資格を得るシーンから雰囲気が違った。ボンドが、痛そうなのである。それは単に怪我をしたから痛そう…といった表層的な話ではなく、血は出ていなくても殴った拳は痛そうだし、命のやりとりそのものが心に痛みを伴っていそうなほど、ちゃんと重みのあるリアリティがあった。

ダニエル・クレイグ以前のジェームズ・ボンドだって殴られたし、撃たれたし、血だって出た。ただ、なぜか痛みを感じていなさそうだった。空き缶を撃ち抜くかのように人をポンポン撃ってたし。まぁ、そんな余裕さえもカッコ良かったわけだが、どこか架空のキャラクターの枠を出られずにいた。

ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドはそれが突然、リアリティとともに重みのある、そして血の通った人間として現れた。

泥臭くて人間味のあるジェームズ・ボンド

ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドのリアリティの源泉は、その泥臭さにもあると思う。アクション自体も泥臭くて、今までの、ちょっと特殊能力感さえあったジェームズ・ボンドではなく、パルクールで逃げる犯人には身体能力的に追いつけないので、周りのモノを駆使して強引に迫り寄ったりする強かさもある。

そして今作のボンドは、映画を見ている我々には弱さを見せてくれる。作中に登場するキャラクターの面前では強くスマートなボンドなのだが、ひとたび一人になると、孤独になり、苦悩して、失敗し、感情にものまれるような脆い側面もある。しかし他のキャラクターと対峙するときはそんな隙を一切見せない、強いボンドに戻る。

今までのボンドは、映画を見ている我々に対しても、完璧でスマートなボンドだった。だから手の届かない場所にいる、存在しているのかもあやふやな程遠い存在、まさにシークレットなエージェントだった。

それがどうだろう、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドは、もしかすると高級ホテルのラウンジに行ったら偶然出くわして、マティーニを呑んでいるかもしれないと思わせられるほど人間味がある。今までの作品の中でも、ジェームズ・ボンドに最も感情移入した作品であることは言うまでもない。そして散々ボロボロになりながらも這い上がり、任務に命をかける若きジェームズ・ボンドが”007”になった瞬間を見届けたら、もう虜になるしかなかった。あんな風に振る舞えるように、なりたいなぁ。

それでも土台はちゃんと007

とにかく今までとは毛色の違う今作。じゃぁ、007じゃなかったの?と言われると、それでもちゃんと007だったのが本当にすごい。007シリーズにはお決まりの「型」のようなもがあるのだが、時代に合わせて変えられる部分は新しくしつつ、土台はしっかりと007なのだ。

お決まりの決め台詞にスーパーカー、ファッションや演出なんかもちゃんと007。各国を飛び回り高級ホテルにローカルなエリアまで足を伸ばしてくれるので、軽く旅行した気持ちになれる気持ちよさも健在。それぞれのエッセンスがより洗練されたイメージだろうか。

007初めての人でも、ここから始めてみてはどうだろう

歴史の積み重なった作品ってどうしても「新しくする」ことが難しく、既存のファンへ向けた作品になりがちだが、今作は新しい風の吹く、それでいてしっかりとした007だった。なので私のような古いファンも楽しめたのだが、ストーリーや設定も一新されているので、今まで007を見たことのない・007初めての人でも存分に楽しめる作品になっている。

もし「007って一度も見たことないしなぁ」「007のこと全然知らないしなぁ」と躊躇していたら、ここから始めてみてはどうだろう。007シリーズとしても、そして007シリーズ抜きにアクションもヒューマンドラマも恋愛も楽しめる、重厚なスパイ映画としても、とってもオススメだ。

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更新日 :2021.09.10
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