みなさんこんにちは、ナカトミツヨシ(@nakatomi_jp)です。社会制度や格差を切った映画は数多とありますが、この作品ほどドロッとした余韻が待っている作品も少ないのではないでしょうか。そして展開も面白く「なるほど、こういう映画なんだな」という想像が、分単位で覆されていく。この社会で生きる全ての人に見てほしい映画。
CONTENTS
あらすじ
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。
読めない展開
最初はゲラゲラ笑いながら観始めます。
あ、結構コメディ的な面白い映画なんだな。
次第にとある「作戦」が動き始めます。
あ、ちょっとサスペンスやスパイっぽい感じなのかな。
…そして、狂気に飲み込まれていきます。
私は映画を観るとき「なるほど、こういう映画なんだな」と想像しながら楽しむタイプです。その想像が、分単位で覆されていく。それが「想像を裏切られる」というよりは、映画のジャンル自体が生き物のように、目まぐるしく変わっていくような感じ。いまだにこの映画がどんなジャンルなのかと聞かれると答えに迷うくらい。
それほどまでに緩急の差、緊張と緩和、笑いと狂気といった本来相反するはずのものが同居していたんです。でも広げた伏線は全てしっかり回収する。バラバラだと思っていたピースがちゃんと最後には一つになる。そんなとんでもないことがどんなに広い場所で繰り広げられるかというと、この映画、キム家とパク家という2つの家だけで、ほぼ展開していきます。
格差社会という重いテーマを描き切る
「格差社会」という重いテーマを扱うこの映画。それを、正面切って直球で表現するのではなく、「パラサイト(寄生)」で紐解いていきます。
この辺り、ネタバレを避けると表現が難しいのでぜひご覧いただきたいのですが、ただ「格差をなくせ!」「こんなに私たちは苦労している!」と声高々に叫ぶのではなく、全く関係なさそうな話の中から、自然とテーマが絡んでくるような印象でした。
それでいて、終盤にはしっかりとテーマが突きつけられている。気付いたら、自分たちも当事者として立たされている。そんな展開が待っています。
衝撃のラストが頭に残り続ける
そしてラストへ突っ走ります、もう、圧巻でした。
私の頭もパラサイト(寄生)されてしまったのか、今もドロっとした余韻が心にこびりついています。
格差社会という闇に思いっきり切り込んだこの映画。
そんなある意味普遍的なテーマを「パラサイト(寄生)」で紐解き、今までに類を見ないジュエットコースターのような体験で伝えきる。
この社会で生きる全ての人に見てほしい。
